Project SX

日本を支える、中小企業経営者のあくなき戦い!

第一回 「よりよい環境作りを目指す!」
菊水化学工業株式会社様

時代に左右されない製品づくり

今や菊水化学工業におけるスタンダード商品となった“ケツロナイン”。
その開発・販売における壁を超えるにはさまざまな障害があった。世に出るまでのプロセスには中小企業が持たなければならないモノが見えてくる。

菊水化学工業株式会社 コンプライアンス部・IT統括部・知的財産部 担当取締役
岩崎大二郎様

開発・販売における当時の事について、岩崎役員に伺がった。
「木から金属・コンクリートへと素材が変化していく中、湿度の高い日本の気候風土に合った製品が必要ではないか」そんな中で開発されたのがケツロナインであった。

昭和30年代にいわゆる“文化住宅”等のコンクリートの建築物が急増し40年代になると機密性の高い住宅が増えた。メリットは“暖かい”こと。 ただデメリットもあり“湿気が溜まり、カビが生じる”ことである。 日本は欧米に比べると湿気があり寒い時期になると窓に結露が生じる。そこで基本コンセプトを
「湿気をコントロールする」
「温度をコントロールする」
「アレルゲンを発生させない」とした。

注目したのが土壁。
これは“自然の素材に習う”という会社の風土があったからである。土壁は呼吸をする。湿気の多いときには湿気を吸い、乾燥しているときには、湿気を吐き出すのである。ケツロナインでは、珪藻土を使用し、忌避効果も高めている。


発想の転換

先にも述べたが、ケツロナインは今でこそ菊水化学工業にとってロングラン商品になっているが、その位置にいくまでの道のりは簡単ではなかった。
当初のターゲットは公団住宅の新築やリフォーム。、団地の管理人が公団管理部に申請して許可が必要である。また施工する上で隠蔽性が乏しく、乾きが遅く手離れが悪い等当初は不評であった。しかし1m2 で厚さ1mmの場合に600ccもの吸水性を持つ機能性は高い評価を得ていた。その機能性の高さと評判で着実に実績を積み上げていった。

しかしまだ致命的ともいえる問題があった。
「実は、お客様が結露に悩まされているとき(冬)には施工が出来ないんです」と話す。それは、ケツロナインの特性上「素材が伸びにくい・乾くのに時間がかかる」等、結露が出ない時期に施工するのが必要だからである。

「そこで考え出されたのが、ケツロシートです」。ケツロナインの(吸水性・忌避生)を残しつつ、塗るから貼るへ施工の効率化を図った商品である。
そこにたどり着くまでに、数々の場所や環境での実験・試験(例えば海外へ機械を輸送する際のコンテナの内部にシートを貼り実験をするなど)を繰り返した。
こうして着実に世に認められる製品へとなっていくのだが、営業する上での壁もあった。


気持ちよくだまされる

売りづらい商品を売るためには「営業マンが気持ちよくだまされること」とも言う。クレームを起こした人が実はよく売れたともお話しされた。一つ一つの問題に理念を持ち、クレームを授業料と思う姿勢で、まっすぐに対応してきた。そしてポリシーを絶対に曲げないこと、“誰がお客さまなのか”をまじめに考える続けることにより現在の菊水スタンダードが生まれたのである。