Project SX

日本を支える、中小企業経営者のあくなき戦い!

第二回 「当たり前の事を当たり前にする」
菊水化学工業株式会社様

モダンアートにみる商品とは

建築中に「飛散しない」「音がしない」「壊れない」「臭いがない」、そして「地震に強い」と施主にも職人にも喜ばれているモダンアート。
開発当時の話を古河部長に聞いてみた。

菊水化学工業株式会社 理事
経営企画室 室長
古河 誠様

お客さまの満足する製品づくり
外壁の塗装は、現場で吹き付け、重ね塗りをする。しかし、それでは、職人の技術の差が仕上がりに大きく影響する。施主は、何時でも、何処でも、同様の仕上がりできて、当たり前と考える。顧客の当たり前を実現するには、どうしたらよいのか。商品開発は始まった。
商品開発における大切なことは“メーカーは施主様が満足する製品と提供しなければならない、それには再現をしっかりとできること”とお話しされる。
そこで工場で仕上がった物を現場で施行することを考えた。乾式板の要領なのだが塗料メーカーなので磁器タイルではない。

建物は生き物である

製品として考えた機能は大きく二つ。
吹付け基材を何にするかを考えたとき、実は建物が動いたときに対応できる素材を考慮した。“建物は生き物なのです”と語る。そして採用したのが不織布。この基材は曲面にも対応できる。
そして目地を独立させること。建物自体の動きに柔軟に対応できるのだ。また目地からの水の流れなどに対するなど、さまざまな工夫がある。但しシートは一枚一枚が重なって鱗状に施工されるため単独で剥がれ落ちることはない。
この機能が阪神大震災で実証された。

開発当時は問題点もあった。環境に良いものをという理念に基づき自然の素材であるが故に一現場毎に作らなければ色の再現ができなかった。今では3分で色の確認ができる。
そして営業と現場の連係を図り、技術者を交えて毎月1回の営業開発会議も8年続き、やっと一つの商品が出来上がった。

また販売する上でも苦労があったと話す。
平成2年9月に全国の支店より担当者として5人が召集されモダンアートの発足式が開かれた。
しかし製品のカタログは無い。さらに価格は相場の3倍以上。どうやって販売するのだと思っていたときに“君たちは全国の支店から新製品を成功させる為の選ばれし精鋭5人”と言われた。そして見本板を作成し設計事務所を一軒一軒訪問したのが始まりでだった。しかし屋内にクロスを貼るなら解るが、外に貼る事は無い、となかなか相手にしてもらえなかった。現在は80%がリフォーム。改修は「音」が大敵。飛散、音、汚れ、臭い、がモダンアートの工事では発生しないので平日にも工事が出来、工期短縮に貢献している。


当たり前が自信となる

阪神大震災の時、モダンアートを貼った壁は建物自体が倒壊した以外は、剥がれ落ちることが無かった。地震や動きにも強いと確信した。
望んだものが望んだように出来上がる、施主に喜んでいただいて当たり前。“当たり前の事を当たり前にする努力が必要です。それによって自社商品に対する自信が強くなった”と最後にお言葉をいただいた。