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土地の境界とはなに?

前回お話したように、土地には境界線があります。
それでは、そもそも境界とは一体何なのでしょうか?

Q 土地の境界とは、何のことを言うのですか?

 A 土地の境界には、厳密にいうと「筆界」と「所有権界」の二つがあります。
「筆界」とは、法務局に一つの土地として区画され、公に示されているものです。公法上の境界といわれ、前回お話した明治時代の地租改正事業や、区画整理事業、耕地整理事業などによって国により区画をされた線をいいます。
一方「所有権界」とは、土地の所有者の間によって決められているものです。例えば、お隣の土地との境界線(「筆界」、公法上の境界)が折れ曲がっているために土地の形状が悪く、それを土地の形をよくするために隣の土地所有者との話し合いで境界の線を直線に引き直した場合など、当事者の間で作られた線をいいます。
ただし、不動産の取引や管理の関係上、法務局への登録(登記)により法的にも明らかになるため、「筆界」と「所有権界」が同じ境界線となるのがほとんどです。

Q 「所有権界」は他にどんなケースがあるのですか?

 A 「所有権界」は合意によって定められるものばかりではありません。特に気をつけないといけないのは、知らず知らずの内に土地が他人に使われていてしまう場合があることです。例えば、道路に面していない土地の住民が道路に出るために道路に面した他人の土地を永年使用し続けた結果、その使用している敷地部分の境界線で所有権を主張されてしまう場合もありうることです。
また、お隣との敷地の境界が「筆界」(公法上の境界)とは違った所に塀が建てられていて、永年それを境として生活を続けており、住民が子の代から孫の代へと世代が替わってしまいそのまま引続いて境界となっている場合もあります。
これらは、よく「時効」によって権利を主張されるケースに発展してしまうので、注意が必要です。

Q「筆界」と「所有権界」が一致しない場合、そのままにしておいていいのですか?
 
 A 特に法律上一致しないといけないものではありません。
ただ、「所有権界」はあくまでもお互いの決め事にしかすぎませんので、主張が違ってきてしまうとトラブルの原因となります。前のQ&Aにありましたように、時効取得による主張をされる場合があります。自己の財産の権利を守るために「所有権界」が存在する場合はできるだけ「筆界」にした方がよいと思います。
なお、「筆界」は個人間の合意によって変更することはできないので、「所有権界」を「筆界」に一致させるためには法務局への登録が必要となります。手順としては、合意により設定した境界と「筆界」との違いの部分は分筆登記をおこない、新たに設定した境界に「筆界」を設け、その部分の土地の所有権移転を行うこととなります。

土地家屋調査士 第42青経塾 田中 智司

第42青経塾 田中 智司